サーマクールによる肌の引き締め・たるみ治療
当院では最新型サーマクールFLXによる治療を導入、実施しております。サーマクールCPTの次の世代の機種となります。新型のFLXはより即効性に優れること、より表層の効果が加わったことが特徴です。まだ下記内容はCPTのものとなります。順次書き換えますので、ご了承ください。
院長は学会・医師向けセミナーでもサーマクールの講演をし、治療手技普及に努めており、医学的根拠に基づいた施術によって最大限の効果を得られるよう努力しています。
ただ単純に照射しても効果は高まりません。引き上げの方向や出力の強弱、しっかり照射するポイント(アンカー)など、様々な工夫によって作用を発現させます。
眉下の顔面で180000円+消費税、顔全体(首を含む)で200000円+消費税、300shots(新型FLX:4センチチップ)です(院長による施術)。
最新のサーマクールFLXを用いてはいますが、当院では広告宣伝費をほぼなくしている関係上、院長である私自身が施術を行う費用としてはかなり安価に設定をしています。なお消耗品価格上昇のため2019年1月より治療費が2万円値上げしました。ご了承ください。
もちろん安いから良いというわけではありませんが、十分納得いただけるサーマクールFLXの治療費として考えて設定しました。
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サーマクールの原理
さて、サーマクールの原理とは何でしょうか。
サーマクールという名前の通り、皮膚表面を冷却しつつ、高周波電流(ラジオ波)による熱作用を得るものです。人の組織は部位や温度により高周波を伝える抵抗値が異なります。
サーマクールは、それを利用して皮膚表面は冷却し、抵抗値を少なくし、一方深部は抵抗値を下げず、高周波が通りにくい状態で流すと、水分子の振動によって深部にジュール熱=温度上昇が起こります(厳密には電気による熱ではありません)。この温度をしっかりコントロールすることでタンパクが変性し、即時の引き締め効果となり、また再生される時にコラーゲンが大量に作られ、たるみが改善します。
サーマクールの人体への作用を分かりやすく言えば、肉を鉄板で焼けば、熱でサイズが縮みます。それと同じ作用が即時変化です。これは顔の形によっては分かりにくい場合もあります。
さらに、人の体は創傷治癒と言って、傷を修復する力があります。熱で縮んだコラーゲンは、その張力を保ちつつ再構築されます。これがサーマクールの主たる変化で、効果が出るのに1~3ヶ月かかります。
もちろんサーマクールの出力・温度設定を間違えればやけどになりますし、傷跡が生じますので、機械にて最初に皮膚の抵抗値をはかり、個々に応じた設定値を元に高周波を流すという優れものです。コラーゲンを一定の率で壊すのが重要です。壊れすぎても数年後にたるみが生じるでしょうし、最初だけ調子が良くても意味のないことですので、たるみを完全に解消するというより、少しの変化と肌の引き締め(skin tighteningと言っています)が主です。その点で現在のサーマクール照射法は私自身理論的に納得できるものであり、導入を決めた決定的理由でもあります。以前の方法では変化が出にくいだけでなく、完全に破壊するという点で、将来的なコラーゲンの破壊、再構築に伴う種々の物質(エラスチンなど)の再生などに疑問がありました。現在のマルチパス法ではそのような変化は起こりにくく、将来的にも安心だろうと思います。
また、最近分かったデータでは、サーマクールによって脂肪層への熱が伝わる際には、脂肪そのものを壊すのではなく、脂肪層の中の線維性成分に熱が伝わり、それを縮めるそうです。以前のように細胞が壊れたり、でこぼこが生じたりすることはほぼありません。特に現在のサーマクール照射法では、皮下の脂肪に高周波が流れるのではなく、脂肪の間にある索状線維組織に流れ、それが縮むことによって即時の引き締め効果が生じることが明らかになっていますので三次元的な改善が得られるでしょう。
最新型サーマクールCPT
さて、最新型サーマクールCPTについてですが、従来のものとどう違うのでしょう。
最大のポイントはその名前の通り、
C:comfort
P:pulse
T:technology
つまり痛みに対して快適かつパルス照射のテクノロジーということです。
痛みに対してはゲートセオリーという理論が用いられています。一度サーマクールCPT治療を受けていただければ分かりますが、強烈に照射部が振動します。この振動覚を脳に伝え、痛みの感覚が分からないようにさせるのです。冷やすと痛みの感覚が鈍くなるように、強烈な振動で痛みを緩和させます。初期のサーマクールの痛みの1~2割程度のレベル、以前のビッグチップ3.0による痛みの3割程度のレベルです。
サーマクールCPTのパルス照射とは、一気に高周波を伝えるのではなく、パルス状に短い時間で高周波を断続的に与え、熱感を緩和、さらには先端部の改良(カプトンフレーム)によって均一な高温状態を長時間維持します。熱はその温度と作用時間の相乗でコラーゲンに影響を与えますから、より効果的にコラーゲンを再構築するということになります。
非常によく考えられた全く新しい方法であり、従来のサーマクールNXTなどとは異なるものです。
ただし、現実にその効果が飛躍的に上がったというわけではなく、即効性などに優れていると考えられます。
またウルセラシステムなどのような理論の異なった機器とサーマクールCPTを組み合わせ治療をすることでさらなる改善を目指すことができます。
機器によるたるみ治療の究極の形になるのではないでしょうか。
サーマクールQ & A
サーマクールCPTは高額な治療ですので、隠すところなく正直にお話しします。納得のうえ治療をお受けください。
どんな症状に効くの?
サーマクールはたるみ治療器として一般的には有名です。確かにフェイスラインが少し上がる、肌が張るなどの変化は生じます。もちろんサーマクールの効果は手術のように劇的ではありません。でもレーザーはたるみには効きませんから、それだけでもサーマクールは大きな効果を得ることができると言えます。ただし、一番分かりやすいのは肌の引き締め効果です。アメリカでもサーマクールはskin tighteningとしての効果が学術的には主に謳われています。なお、当院で患者様の満足度が一番高い部位はフェイスラインです。小顔の効果と言えば分かりやすいでしょうか。
しわ取りのフェイスリフト手術は100万以上の費用です。サーマクールCPTは20万弱です。効果は費用比でいうと、同等かそれ以上と思います。
実際のサーマクール治療手順
まず洗顔していただいたうえで、座っていただき、お写真を取った後、どこを引き上げたいのか(法令腺、フェイスライン、まぶたなど)を見極めつつ、ペンでマーキングします。次いで仰向けに寝ていただいて、サーマクールの打ち漏らしのないよう、肌の表面にマーキングシートを転写し、顔にブロック状のマーキングします。体には対極板(アースですね)を貼り、肌の抵抗値を測り、個々の状態に応じた強さ設定をしたら、いよいよサーマクールCPT治療開始です。治療希望部位全体を照射し、次いで引き上げたい部分に沿って解剖学的構造を考えつつ照射、最後にふくらみを取りたい部分に照射(Z軸の照射)を行います。サーマクールCPTの施術には30分ほどの照射時間がかかります。少ない照射数では効果も劣りますので、最低でも300発以上は照射する必要があるといわれています。
実際のサーマクールCPT照射
治療回数は?
通常サーマクールCPTは1回の治療で終了です。満足いかなかったら3~6ヶ月後に2回目をという考えもありますが、じゃあ2回したらすごく効くのかというと、そうではないと思います。サーマクールCPTの場合は、1回で満足したら、それでOKとしてください。もちろん1回治療して大満足だけど、もう1回治療を受けたいという場合は6ヶ月後に治療をします。コストパフォーマンスは落ちますが、もちろん複数回の方が効果は上がるのが常です。また、老化というのは止めることができません。そういった意味では半年から1年に1回サーマクールCPT治療を続けるのが本来の考えですが、当院では創傷治癒の安全性などの面から考えて、1年程度間隔を空けてということを推奨しています。
レーザーとサーマクールは何が違うの?
最近のレーザーも皮膚の内部に熱を与えることは同じです。ただ、深達度と言って、光の届く深さは減衰というものがありますし、深い部分ほどエネルギーが高密度のエリアは狭くなるため、リミットがあります。最も深くまで届くNd:YAGレーザーでも真皮の最も深い所には十分なエネルギーは入りません。一方サーマクールによる高周波は皮膚の最も深い部分に強く働きかけます。電気のように何でも熱するということはなく、サーマクールの高周波は物質選択性があること、炎症機転を起こしにくく、生理的にコラーゲン産生を招くことなど、優れている部分も多くあります。生理的には線維芽細胞というコラーゲンを作る細胞が多い部位は真皮上層、つまりはレーザーが最も効果的な部分なのです。
ただ、レーザーはたるみ治療としては力が弱く、目の下など皮膚の薄い部分などの効果と、小じわと肌の張りが主になります。つまり大切なのは、自分の目的に合った機械を選ぶことです。それぞれのメリットを十分に理解し、最大限希望に添うようにすることが大事です。サーマクールであらゆるたるみが解消できるわけではありません。
これに対応できるのが高密度焦点式超音波治療器のウルセラシステムです。こちらは皮膚より下の層にある筋膜というものを主にターゲットとして熱で固める機器で、ポニーテールをするように引き上げる機械であり、サーマクールのような3次元的引き締め効果(小顔効果)とは異なるものです。
どうしてそんなに治療費が高いの?費用に対する効果は?
サーマクールCPTの機械の価格自体は他のレーザー機器とさほど変わりません。しかし、消耗品が非常に高額です。一人一人に取り替えなくてはいけない先端部チップ(使い捨てのコンピューターのようなもの)、体に貼る対極板、マーキング用のシート、顔に塗るジェル、冷却ガスタンクなどなど、サーマクールCPTのメーカーのみでしか販売していないため、独占で高額になっています。この原価だけで今までのレーザー治療の費用を何倍も上回ります。
高額な機械の減価償却や、長時間の施術にかかる人件費などから、サーマクールCPT施術費用が適正な価格であることはご理解ください。
もちろん安全性の面から本来使い捨てであるはずのサーマクール先端部チップを再利用するアダプタも非正規に流通しています。これを用いれば安価に施術は可能ですが、高周波の効果が落ちること、熱傷などの危険性からトラブルが起こる可能性があることなどから、当院ではサーマクールCPT製造会社が提供する正規品のみを使用しています。
サーマクール認定医ですか?
私自身はサーマクール認定医となっております。しかしながら、ある一定時間の講習を受けただけでもらえる資格ですので、形成外科の専門医のように6年もかけて大学で研修して取得できる資格とは意味合いが違います。ビジネスうえでのPRのようなものであり、サーマクール認定医だから安心かということは疑問です。これを取り立ててアピールする意味はないと考えております。自分自身への指摘にもなりますが、サーマクール認定医でなくても、全く問題ないと考えて結構です。
ある医師はサーマクール治療後のコラーゲンのタイプ分類とその変化を通じて、通常の創傷治癒と同じ変化が一部で起こっていると立証しており、私もその考えに同意します。そしてコラーゲンだけではなく肌の弾力線維であるエラスチンの変化を解明できた時、サーマクールの理論がより一層強固なものとなると信じております。
なお、顔中心部などに有効なたるみの治療器テノールも導入しております。これは費用の面や痛みの面では優れた治療器です。ただし、フェイスラインの引き締めには力は弱い印象があります。他にも治療後の腫れが生じず頬の引き上げ効果を出すウルセラシステムという治療器もあります。様々な機器の中から、症状に応じて最適な方法を選択することが重要と言えるでしょう。