ボトックス注射
ボトックス、ボツリヌストキシンは表情じわを改善するための注射薬として開発され、国内では65歳以下の眉間の表情皺という条件ではありますが、厚生労働省に承認された治療薬剤です。元々は神経毒、ボツリヌス菌の出す毒素で、食中毒を起こす原因の一つです。ボトックスは神経筋接合部の伝達を阻害し、筋肉を動かなくする作用があります。そう聞くと危険で怖い印象があるかもしれませんが、食中毒の場合と異なり、ボトックスの場合は局所に注射で投与すること、またその量は比較することもできないくらいごく微量であることなど、安全性に関しては問題ありません(そのため厚生労働省も承認しています)。
ボトックスの筋肉を動かなくする作用を利用して、表情によって生じるシワを改善していきます。厚生労働省承認の眉間(寝ている間に力が入っていたり、老眼・視力が悪いとシワが寄ります)、目尻の笑いジワ(カラスの足跡)、額のシワ(まぶたのたるみなどによる眉毛挙上によるもの)などが代表的な治療部位です。
その他にも顎正面の梅干し様のシワ、エラの張り(咬筋肥大)など様々な治療対象があります。
治療は単純にボトックスを目的とする筋群に注射するだけです。しかしながら、その作用が筋の麻痺ということであるがゆえに、技術的な差違が大きく、「アート」として、いかにバランスを考えて、適量を適した部位に注入するかどうかが肝要です。
繊細な針先のコントロールなど技術に左右されることも多いのです。
また、筋だけではなく皮膚内にごく少量ずつ注入するボトックスリフト(メソボトックス・イントラダーマルボトックス)という手法もあります(詳しくはこちら)。筋肉の動きを止めるのではなく、肌の張り感などを出すことで引き上げ効果を増す方法で、筋に打つ通常のボトックス注射とバランス良くコンビネーションすることで、顔の形態を整えていきます。