傷跡修正治療
当院院長は形成外科専門医として、長年傷跡治療に携わっております。創傷治癒の基礎から新しい治療まで論文・学会発表も多数あるプロフェッショナルとして、交通事故や怪我の傷跡、ケロイド、美容外科の後遺症など多数手がけておりますので、諦めていた傷跡、どこに行っても治療を断られた傷跡でも是非一度ご相談下さい。
自分自身の経験と知識、技術が、少しでも皆様のお力になれれば幸いです。
傷跡の修正治療は形成外科では最も基本の手術手技であるともに、最も難しいものでもあります。
形成外科という学問は、最初の頃は交通事故による顔面の変形や酷い傷跡を修正する治療、及び美容外科によって生じた変形などを治療することを基本としております。
傷跡の治療には、従来の手術的療法とレーザー治療があり、昨今のレーザー機器の発展により今までは不可能であった傷痕の治療がレーザーでも可能となってきました。特にフラクショナルレーザーという分野の機器によって、今でも否定されうる傷跡のレーザー治療が脚光を浴びるようになってきました。もちろん、全ての傷跡がレーザーで綺麗になるというのはちょっと言い過ぎです。
特に私自身は大学病院勤務時代に、創傷治癒、つまりは傷・傷あとがどのように治るかの基礎研究、及びケロイドの研究をしていたこともあって、傷跡治療はライフワークとして、様々な方法を行っています。近年も、レーザー治療について学会等で発表し、論文も書いております。しかし、全てをレーザーのみで片付けるわけではありません。また魔法のように消えると言うつもりはありません。
当院での手術のうち、かなりの比率を傷跡修正が占めます。特に美容外科によって生じた傷跡、事故による傷跡、手術による傷跡などが中心です(最近は特に美容外科手術後の変形・傷跡修正手術が増加しております)。
基本的にはメスにて傷跡(瘢痕)を丁寧に切り取り、特殊な糸で細かく縫合し、線状の細い傷跡にします。完全に傷跡が消えるということはありませんが、きちんと手間暇かければ割に目立たない傷跡に変えることはできるものです。
手術で適さないような傷跡はレーザーを中心として組み立てます。ニキビ跡、ごく細い線状の傷跡、リストカット痕、目頭切開後の修正やケロイド、肥厚性瘢痕などです。レーザーによる傷跡修正は非常に細かい作業であり、通常の形成外科や美容外科で行われているものとは一線を画します。複数のレーザーを適応に合わせて選択し、薄く剥がしたり、削ったりするだけではなく、盛り上げたり、赤みを抑えたりなど様々な手法も用いております(後述)。この方法は当院で手術をした後のアフターケアにも用いており、よりスムーズで早い回復を図れるようにしております。メスによる治療とレーザー等の機械による治療、塗り薬などの軟膏療法、全てをバランス良く組み合わせることで、より良い仕上がりを得られます。それなりの結果を出すよう、常に検討をしています。
またフラクショナルレーザーであるエコツーという、傷跡をぼかすレーザーも積極的に使用しています。当院では美容外科学会、形成外科学会などでその効果について発表していますが、特にくぼみを伴ったような新しい傷跡には有効であり、手術後のアフターケアなどに組み込むことで、より効果を高めることも出来ますし、前述のように手術の無理な症例では有効な手段となります。
但し、手術・レーザーは全ての傷跡に適応ではありません。残念ながら治療が難しい例もあります。その際でもきちんと診察し、理由や、今後の治療として勧められることなどをご説明いたします。ただ、従来のように単に切って縫い合わせる形成外科的方法やレーザーのみの美容皮膚科的手法だけではなく、様々な方法を用いる、その選択肢を多数用意することで、少しでも改善を図ることを目指しています。
なお、レーザー治療、手術は傷跡の長さ・手技により治療費が異なります。その点はご了承下さい。もちろんカウンセリング時にかかる費用はご説明いたします。概ね、手術は単純な切り取りの場合、仕上がりの長さ1センチで2万、美容的施術を加えると費用は異なります。また、レーザーの場合は小範囲なら1回1.5万円〜、広範囲の場合は要相談です。規定により保険は適応されません。
他院で治療を受けていらっしゃる患者様にはお願いがあります。持参いただく紹介状で、現在までどのような治療をしていたかが分かる事が多いものです。それによって診療がスムーズに進むことが多いので、もし現在治療を受けている病院があれば、主治医の紹介状を持ってきていただくと宜しいかと思います。
最後にお伝えしたいのは、傷跡というのは決して消えるということはありません。美容外科は魔法ではありません。いかに目立たなくするか、手間暇かけてきちんと治療できるかどうかということです。ご本人の協力も必要ですし、現在医療の限界という現実を理解頂く事も必要です。