当院のしわ取り手術
近年、しわ取り手術(フェイスリフト)の手術手技は急速に発展してきました。それに加え、コラーゲンやヒアルロン酸などメスを使わない方法も開発され、より自然に負担が少ない方法になってきています。
当院でのしわ取り手術は、SMAS法といって、皮膚の下の層にある筋膜(顔を支えている繊維状の組織)を直接引き上げて、皮膚を引っ張るだけでない自然な手術方法をおこなっています。しわ取り手術での切開は耳の前に行いますが、耳の輪郭をうまく利用して傷跡が目立たないようにしています。多くの方が手術後も髪をアップにして、耳を人前に出すことが可能な目立たない傷跡になります。もちろん入院は不要です。麻酔も基本的には注射で局所麻酔です。場合により少し眠くなるようなお薬(鎮静剤)を使用します。
但し、しわ取り手術は術後の数日間は顔が腫れますので、仕事の都合などで手術が難しい方は、ミニリフトという方法をお勧めしています。通常のリフトに比較して、効果が弱いのは難点ですが、腫れが少なく翌日から仕事もできます。全く腫れないという訳ではありません。
では、実際にしわ取り手術をどのように行うかを図示しましょう。
まず、耳のくぼみなどの陰影をうまく利用して切開を目立たないようにします。
皮膚を前方に剥がし、その下にあるSMASと呼ばれる膜を切開し、顔のたるみを調整しながら引き上げ、余った分を切り取るか、たくし上げます。剥がした部分と剥がしていない部分の境目をぼかすために少々脂肪を吸引したりします。皮膚はひっぱたりする事なく、SMASを引き上げたために余った部分のみを切り取り、形成外科的に縫合します。この縫合が通常の美容外科的な縫合と異なり形成外科らしいきれいな仕上がりを生み出します。
なお、口の横下方の部分や、首までたるみを取るには耳の後ろまで切開を入れますが、手術を受ける方も大変なので、絶対にこれをした方が良いとは言いません。むしろ口の横のたるみはヒアルロン酸の注射などでもきれいに治ります。
さらに、ご希望に応じて、頬のあたりにご自身の脂肪を注入し、ふっくらとした若々しい頬をつくることも行います。
このように、しわ取りといってもただ皮膚を引っ張り上げるのみでなく、様々な手技を組み合わせて、できるだけ自然に見せるように工夫するのが腕の見せ所なのです。