隆鼻手術
隆鼻には一般的にはシリコン製のプロテーゼが用いられます。きちんと挿入するとまず大きなトラブルは起こしませんが、あくまで異物ゆえに時に皮膚を破って飛び出すなどのトラブルも起こる可能性があります。また老化とともに皮膚が薄くなり、シリコンの形が透けて分かったりすることもあります。シリコンを入れるのが怖くて手術に踏み切れない人は多いと思います。そのために当院でもヒアルロン酸注入による一時的な隆鼻が一番多い現状です。
そこで私自身は自己の組織を用いた方法を推奨しています。ご自身の軟骨や筋膜を入れるために安全性は間違いありません。主に耳の軟骨や太ももの外側の丈夫な筋肉上の膜様物である筋膜を利用します。もちろん採取した部分には線状の傷跡が残るのが最大の欠点となりますが、特に足の筋膜の場合は誰も美容外科手術で傷ができたとは思わないでしょう。昔怪我をして縫ったという説明で不思議には思わないと思います。もちろん傷跡も形成外科的にきれいに仕上げます。鼻の傷跡はシリコンと全く同じで、鼻の穴の中を切りますから目立つことはありません。
特に鼻筋を通す程度で、西洋人のようなすっきりとした鼻を希望しない場合はこの方法が向いています。ヒアルロン酸注入による隆鼻と結果は非常に似ています。欠点はシリコンのように細かい調整ができないこと、1年ほどの間は少しずつ吸収が進み、直後よりは少し入れたものが小さくなって落ち着くことが挙げられます。そのため希望する鼻の形にこだわりがある人には不向きで、少し鼻筋を高くしたいという人、人には分からないレベルで自然にという人に向いています。落ち着いてしまえば自分の体の一部ですから、年齢による変化に従っていくことや将来にわたる不安がないことが最大のメリットでしょう。シリコンを入れているが少し不安だという人や年齢とともにシリコンが目立ってきたという人にも入れ替えの方法としてお勧めします。腫れ・内出血は約1〜2週間生じます。小さな腫れは1ヶ月残りますので、2週間ほどお休みがあった方が無難です。
以上隆鼻手術につき利点・欠点を踏まえ記載しました。