輪郭注射:顔面の脂肪減量
輪郭注射は、顔面の脂肪を減少、リンパなどの循環改善を伴って、顔面の形態をシャープにする注射法です。
輪郭注射は、スペインで開発された手法で、ヨーロッパで伝統のあるメソセラピーの一種です。長年臨床医学において使われている各種ハーブ由来の成分を用い、その配合の妙で様々な効果をもたらします。主に脂肪を減らす注射法であり、たるみの改善はありませんので、主として40歳代までのフェイスラインの脂肪や二重顎などを狙って注射し、数回の治療で効果を得ます。
輪郭注射は、サポニンと言われる界面活性作用物質によって脂肪細胞膜を破壊したり、リノレン酸やチロシン、その他成分の脂肪燃焼、代謝亢進、血行改善作用などと相まって、脂肪の細胞そのものの破壊のみならずいわゆる代謝不全によるむくみなどの改善も有します。スペインの開発ドクターのもとで1万例以上の実績がある治療法であり、お隣韓国でもこの製剤を加工して「輪郭注射」として、大きな流行となりました(残念ながら韓国では注射用としてはオフィシャルに承認されず、ドクター個人の使用に留まっています)。
この製剤の効果を我が国では当院で確認し、臨床データを集積した上で、各種セミナーで発表するに至りました。もちろん魔法のように脂肪が減ることはありませんが、副作用やダウンタイム(腫れや炎症)が非常に少ないことから、日本人に適合した治療法であると考えております。
従来の「脂肪融解(脂肪溶解)注射」と言われるものは、ボディにはそれなりの効果があり、多用されていますが、痛みや掻痒感と共に赤みが生じ、少し腫れるために、顔面への使用に関してはかなり難しいとされていました。
この輪郭注射は、スペインではボディへ使用され、セルライトの除去作用などがあるともされていますが、やはり通常の脂肪融解注射よりも効果が弱いものでした。しかし代謝・循環の良い顔面においては非常に良い効果を出せる上に、腫れや赤み、痛みや痒みが生じないため、一般に受け入れられる治療法となります。
輪郭注射成分の各種効能です。ハーブや漢方など古くから民間療法として用いられてきた成分を配合し、かつATPやチロシンなどの西洋医学的な成分も巧みに取り入れています。当初はハーブというとスパイスや趣味嗜好の印象を持って、ややネガティブな考えで捉えていましたが、バスコダガマやコロンブスなどスペインの大航海時代に発展したスパイス・ハーブ療法に端を発する歴史ある治療法をメソセラピーとして微量ずつ皮下に投与する手法は非常に興味深いものです。もちろんハーブと言ってもそのものが配合されているのではなく、化粧品のようにその物質由来の成分が含まれています。
実際の症例です。4回実施後の状態。フェイスラインはシャープになっています。
左:治療前 右:治療後
3回実施後。たるみ感は残りますが、フェイスラインの脂肪が減少しています。
左:治療前 右:治療後
治療に関しては、1~2週間毎に実施をします。通常5回程度を目安に、結果を見ながら回数を増やしていきます。初回から浮腫が引いたようにすっきりする結果が得られることがありますが、この効果自体は長期ではなく、あくまで循環改善によるものですので、回数をかけて脂肪そのものを減量させていく必要があるため、1回で効果を得た場合でも反復することが重要です。
またその後は数ヶ月毎に1~2回実施することで効果を持続しやすくなるでしょう。
治療費に関しては、1回25000円(税別)となります。基本的にはlipotrofinとmetabolitesの2剤を2アンプルずつ使用します。小範囲などの場合は費用はご相談下さい(2万円~)。Vシェイプとの併用も有効で、リンパの流れ・代謝を改善し深部加熱する効果を加えることでさらなる改善を得ることができます(併用治療は1回50000円+税)。